扁桃腺炎



2010年3月16日

扁桃腺とは,咽頭の粘膜内で発達したリンパ組織です.扁桃は外部から侵入してくる病原体に対して防御の役割を果たしており,なかでも口蓋扁桃は大切で,一般に扁桃と云えば口蓋扁桃を指します.口を開くと上顎の奥の方の,のどちんこの付け根の両側にあるかたまりが口蓋扁桃です.ちなみに一般に扁桃腺と言われているが医学用語では単に扁桃と呼ばれます.この口蓋扁桃に炎症が起きた状態が扁桃炎です.
扁桃腺炎とは,肺炎球菌,溶血連鎖球菌,黄色ブドウ球菌,インフルエンザ菌などのいつも喉にすんでいる常在菌が,感冒や過労で増殖して口蓋扁桃や周囲咽頭に感染を起こすことをいいます.大半がかぜのウイルスが感染していて,のど全体が赤くなっていることが多く,扁桃腺がよく目立つので,扁桃腺炎といわれることが多いのですが,実際には扁桃腺だけが悪いという場合は少ないのです.
扁桃腺炎には,扁桃周囲炎(へんとうしゅういえん)と慢性扁桃炎(まんせいへんとうえん)などがあります.扁桃周囲炎は,急性扁桃炎が治りかけたころに手当てを怠るとなりやすく,高熱と激しいのどの痛みが襲います.片側の口蓋扁桃の上の部分に膿ようができて化膿し,赤くはれあがり,口臭も強くなります.一方,慢性扁桃炎は,年に何回も扁桃炎(扁桃腺)を繰り返し,高熱を出します.扁桃のくぼみの中に細菌が蓄積されており,これが原因で全身感染を起こすこともあります.
治療には,内服薬,特にペニシリン系の抗生物質が使用される事が多くなります.よく手術をするという話を聞きますが,(1)繰り返し,扁桃腺がはれ,熱がでるとき.(2)扁桃腺にいつも細菌が巣くっていて,発熱の度に血尿などがみられ,腎炎などが心配される場合.(3)扁桃肥大のため呼吸が苦しくなるとき.無呼吸などが見られるときなど,扁桃腺肥大によっておこる被害が手術をすることにより起こる合併症などより強くなると考えられるときに手術を考えるべきです.手術にあたっては,よく医師と相談してから決断すべきです.



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